SLは元気です!完全再開まで万全の状態で待ってるぜ…JR西日本・京都鉄道博物館

 検査点検中のC62・2号機。 全長約21メートル、総重量145・17トンの日本最大の旅客用SLだ
 
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 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月29日から臨時休館をしていた京都鉄道博物館が、15日から営業を再開した。感染症対策として当面は前売り入館券購入者のみの限定入館、「SLスチーム号」や「運転シミュレータ」など一部の体験施設が中止や閉鎖の制限された中での再開だが、鉄っ子たちにはうれしいニュース。久々の“聖地”でじっくり“鉄分”を補給してきた。

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 入り口で検温、消毒を行ってから館内へ。0系新幹線などおなじみの車両が迎えてくれるが、至る所に「閉鎖中」「中止」の掲示版が…。館内女性スタッフのフェースガード越しの笑顔が、まだ本来の姿に戻っていないことを痛感する。

 昨年度は約77万5千人が訪れた“鉄ちゃんの聖地”も、再開したとはいえ限定入場などで人影はまばら。それでも「ハローキティ」にラッピングされた500系新幹線に笑顔で駆け寄る幼児の姿を見るとなんだか優しい気分になった。

 博物館の目玉でもある「SLスチーム号」や「鉄道ジオラマ」「運転シミュレータ」などの体験設備は閉鎖中だ。「『3密』を避けるためにはどうしても…」と京都鉄道博物館・総務企画課の久保都さんは話す。ボタン式で説明展示していたものをセンサー式に変更するなど、感染拡大防止の展示法に取り組んでいる。

 煙のにおいと共に「ヴオーッ!」と汽笛が聞こえてきた。小走り気味に扇形機関車庫に急ぐ。

 隣接するSL検修庫前に日本最大で日本一有名な蒸気機関車C62・2号機が、煙と水蒸気を吐きながら“生きた状態”でいるではないか。かつて東海道本線で特急「つばめ」や晩年には函館本線の急行「ニセコ」の先頭に立ったレジェンドだ。

「『スチーム号』は運休中でも、(SLの)カマに火をいれて色々な点検をしているんです。きょうはラッキーですよ」と梅小路運転区・石原正雄総括助役が説明してくれた。いつ運転再開してもいいように、臨時閉館中も機関車を毎日のように整備・点検を続けていたという。検修車庫内では8630号機が分解点検中。こうしたSLの修繕・点検現場を間近で見ることができるのは京都鉄道博物館ならではだ。

 転車台では「SL北びわこ号」でもおなじみのC56・160号機が回り始めた。「スチーム号に乗るお子さんたちの笑顔が早く見たいですね」と」久保さん。スタッフもSLも“その日”が来るのを、キープディスタンスで待ち続けている。

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