【ボート】ヤングダービー直前!宮島ボートの最大の攻略ポイントは“潮”
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ボートに競輪、書くべきテーマは山のようにある。しかしこのタイミングで順番が回ってきたのなら、2024年3月まで担当した宮島ボートで行われる「第12回ヤングダービー・プレミアムG1」について語るべきだろう。あまりよく知られていない、宮島ボートの水面特性を説明しつつ、舟券攻略の切り口になればと思う。
宮島の最大の特徴は干満差。最も大きい大潮の時であれば、1日の開催中に最大5メートルほど水位が変わる。その海水が潮となって出入りするのは、対岸2M奥の一カ所だけだ。そこから干潮に向かう時(下げ潮)は潮が出て行き、満潮に向かう時(上げ潮)は入ってくる。当然、潮の流れがレース展開にも影響する。場合によっては、風よりも大きな影響を及ぼすほどだ。
ざっくり言えば、下げ潮ならホーム向かい潮となる。向かい潮の時は潮が波もうねりも片付けてくれるので水面は良好になり、スピード自慢に有利だ。逆に上げ潮の時はホーム追い潮が基本とはいえ、潮が岸壁に跳ね返ったりして方向を変えたり、新たに入ってくる潮とぶつかったりして流れが複雑になり、波やうねりも発生する。こうなると積極派には出番なし。イン逃げや差しが多発することになる。
これを頭に入れて舟券購入を、と言われても、慣れていないと難しいだろう。そこで、宮島に似た水面はないかと考えると一カ所ある。若松だ。西山貴浩や塩田北斗など若松がホームの選手は宮島を得意としている。今年はSGを2回も開催した水面。そこと似ているとすれば、宮島にもすんなり入っていける人も多いのではないか。
少し昔の話をする。若松で行われた2018年オーシャンCを制したのは毒島誠。この時は日ごとに部品交換を行って舟足を徐々に良化させ、優勝につなげた。この時の整備手順を、東京支部の山田亮太が宮島で“完コピ”。するとワースト級だったエンジンがトップクラスに、一気に化けた。今になって思えばこれも、宮島と若松の相似性を物語る一例だったということだ。
ヤングダービー開催中は天気が不安定な予報となっており、その時々で潮回りと一緒に確認しながらというのは現地観戦ならともかく、ネット投票では難しいかもしれない。そこで「最近この選手、若松で頑張ってなかったっけ」とか、宮島でなじみの薄そうな選手でも、うまく見つけられれば高配当のヒントになるはず。波乱必至の開催になりそうなだけに、現地からもいい情報を出せるように心がけて取材に臨みたい。(関東ボート・競輪担当・浅野将之)

