【ボート】長崎支部に新たな伸び型の芽吹き 初優勝きっかけに第2の“ガースー”目指す

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 長崎支部に新たな伸び型の芽が吹き始めた。真鳥康太(31)=長崎・123期・B1=がチルト3に挑戦している。菅章哉(徳島)を筆頭とする“ロングヒッター”は見る者を魅了し、人気も高い。オリジナリティーあふれる選手となるべく、研さんを積んでいく。

 きっかけは10月の鳴門一般戦だった。抽選で手にしたのは弟・章太(長崎)の師匠である重富伸也(長崎)の伸び型エンジン。それまで独自の伸び調整をした経験はあったものの、前検で乗り込み「こんなに伸びるんだ」と“本職”のパワーに仰天した。

 チルト3は乗りこなすのが難しいとされるが「意外と乗れた。自分に合っているのかも」と思い切ってそのまま引き継いだ。その決断が奏功する。予選はまくり1本にとどまったが、準優は5コースから1周1Mを制圧して勝利(決まり手は抜き)。優勝戦は3コースから一撃を叩き込み、デビュー7年0か月での初Vを達成した。

 即座に結果へとつながったチルト3。本人は驚きつつも「武器として使っていこうかなと」と伸び型へのチャレンジを決めた。「全速でSが決まれば絶対にまくれる」という決定力の高さに魅力を感じ、特有の重たいターンも「自分の乗り方に合っている」と苦にしなかった。実際に11月のまるがめ一般戦では、チルト3でまくり差しを放つなど、艇を巧みに操っていた。

 課題に掲げるのはスタートだ。ターン回りと同様、艇が不安定なチルト3のSは「鳴いたり、急にしっかり起きたり」と簡単ではない。鳴門での優勝後、次節のびわこ一般戦には菅が参戦していた。積極的にアドバイスを求め、ペラ調整への意識など多くの金言を授かったが、ボート界を代表する大砲も「チルト3はSを全速で行かないと意味がない」と最重要視しているという。

 今後は弟の師匠で同支部の重富に教えを請いつつ「今期は勉強と思って頑張ってみます」と試行錯誤していく考え。難易度は高いが、身に付けば他者とは一線を画す存在となり得る。「菅さんはこれで記念を取ったと考えると格好いいですね。目標にしたいです」と力を込めた真鳥。己の可能性を信じ、誰にも負けない伸びを追求する。(まるがめボート担当・山本航己)

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