J1町田が首位浮上 指揮官パワハラ疑惑報道も動じず!粘り実って第4節から6戦無敗 磨いた攻撃力で負けない強さを証明
「明治安田J1、町田2-2川崎」(6日、町田GIONスタジアム)
町田は川崎と2-2で引き分け、勝ち点17で首位に浮上した。この日、黒田剛監督がスタッフへパワハラをしていたとの疑惑を一部メディアが報じたが、クラブは否定。1試合消化の少ない広島はC大阪に2-1で逆転勝ちして同17とし、総得点差で2位となった。2連覇中の神戸は新潟に0-1で敗れ、連勝はならなかった。新潟は開幕から9試合目で初勝利。鹿島は本拠地で京都に3-4で屈し、勝ち点16から伸ばせず首位から3位に後退した。2023年10月から続いていたリーグ記録のホーム連続負けなしは27試合で途切れた。京都はラファエルエリアスが3得点。
押せ押せの川崎サポーターによる大声援がスタジアムを包む。試合終盤、全員が身体を張る執念の守りで猛攻を耐え抜いた。「最後は身をていしてホームで勝ち点1を獲得できたことをポジティブに捉えたい」と黒田監督。そう話した約30分後に勝ち点で並んでいた鹿島が敗れ、つかみとった勝ち点1が実を結ぶ形となり首位に立った。
2-1の後半28分に追いつかれると、以降は勢いに乗る川崎に何度もチャンスを作られた。それでも決死のシュートブロックやクリアではね返す。同追加タイムには、前半に同点ゴールを決めたDF岡村が、通れば決定機のパスを滑り込んで防ぎガッツポーズ。闘志をむき出しに守り切った。
好スタートを切った昨年に続く、春での首位浮上だ。だが、今季は決して順風満帆なスタートではなかった。開幕3戦で1勝2敗。第3節の東京V戦では今季から新たに取り組むボールをつなぐ戦術に固執するあまり、自陣でボールを失い続けて完敗した。「やれることを増やすことが、われわれの強みを消すことになっていた」と黒田監督。その後は従来のロングボールを中心とした戦術と使い分ける意識が浸透し6戦無敗。無得点は同節のみと、攻撃力に磨きがかかっている。
試合当日の朝には一部週刊誌が黒田監督のパワハラ疑惑を報道。試合後には同件を巡った質問をクラブ関係者が遮り、緊張が走る場面もあったが、そんな周囲の空気にも動じず、負けない強さを証明してみせた。
ただ、浮かれる様子は1ミリもない。主将のDF昌子は「『負けない』じゃなくて、そろそろ『勝つ』にしないと」と決意。逆転優勝を許した昨季の教訓を生かし、おごらず勝ち点を重ねていく。