散歩する王者…老人のようなメッシ
2014年7月2日
アルゼンチンの元祖・王様マラドーナが子供のようにボールを触りたがったのとは対照的に、現チームの王様メッシはボールに関心がないかのように振る舞う。だが、対戦相手はこの非生産的な10番を放っておけない。いつ、とんでもないことをしでかすか分からないからだ。無視したいけど、無視できないー。恋愛の心理と同じか。スイスの選手たちも本当はメッシにはかなり興味があるのだ。
結果、スイスはメッシをマークする“死に駒”を作らざるをえない。ピッチの局面では10人対10人のサッカーが激しく競われている。それでも、メッシは-例え、味方が倒れようとも-われ関せずを決め込む。
この男は、いつ「やる気スイッチ」を入れるのだろう。もう間もなくPK戦だ。そう思い始めた延長後半13分、メッシがいきなり動きだした。スイッチを入れたのは、ハーフライン付近でスイスのボールを奪い取ったパラシオからのパスだった。それまで老人のような緩慢さだったメッシが、突如、テレビのゴール集で見るメッシに変わった。
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