静岡駅「富士の味覚」1300円

 富士山の形をした台形の容器が日本一の霊峰をすぐに思わせる。掛け紙は帯状で実にシンプル。「色・豊かなまち静岡弁当」の文字が中身のカラフルさを想像させる。最初に購入した10年ほど前は「不二の味覚」だったと思うが、日本人好みの分かりやすいタイトルに変更されたのだろう。ふたを取ると富士山の恵みを受けた食材がぎっしりと詰まっている。約3分の1を占める茶飯は上に桜エビが散らしてあり、これぞ静岡という感じ。おかずは上の方に静岡のソウルフードである黒はんぺん磯辺揚げや豆腐ハンバーグが占め、それより下に信号色のカボチャ、ニンジン、絹さやに加え、焼き目のついたタケノコ、昆布巻き、椎茸の煮物。ナスの味噌あえなどが彩り豊かに並ぶ。駅弁の王道卵焼きとデザートに抹茶わらび餅も入ってお得感いっぱいだ。

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 お茶の生産量日本一の静岡県。茶飯は代名詞で甘い味付けの桜エビとよく合い、おかずなしでもそれだけ食べ終わってしまいそうだ。

 豆腐ハンバーグにはヒジキや豆などが含まれていて、あっさり味でおいしい。

 黒はんぺんの磯辺揚げ、レンコンのはさみ揚げは風味が良くてワサビ味噌をつけてもいける。

 煮物はどれもが単品で煮込んであり、ごまかしの効かない素材の歯応え、味を存分に引き出している。

 ボトルに入った味噌をかけると完成するナスの味噌あえは、パプリカ、豚肉の味も一緒に楽しめてご飯によく合う。卵焼きはちりめんじゃこが中に潜っていて、これがいいアクセントになっている。

 デザートの抹茶わらび餅に至るまで、富士山を見ながら食べると二度おいしい駅弁だ。

 1300円。東海道本線・静岡駅「(株)東海軒」TEL054・287・5171

(まいどなニュース/デイリースポーツ・柴田 直記)

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