首相、戦争検証へ識者意見聴取 談話閣議決定は見送り方向
石破茂首相は8月に迎える戦後80年に際し、戦争の検証に着手するため、4月にも有識者から意見聴取を始める意向を固めた。首相の私的諮問機関としての会議体設置や個別に意見を聞く案が浮上している。1995年の戦後50年から10年ごとに過去3回、閣議決定した上で出した首相談話は見送る方向だ。聴取を基に首相が記者会見などを開き、自身の歴史観や戦争に対する問題意識を表明する形式を想定している。
関係者が27日、明らかにした。首相は3月9日の自民党大会では「なぜあの戦争にわが国は突っ込んでいったのか。もう一度、歴史に謙虚に学び、日本の平和は尊い犠牲の上にあることに思いをいたしたい」と強調した。
15年の安倍晋三元首相による70年談話は、先の大戦を巡る「おわび」に言及しつつ、後の世代に謝罪を続ける宿命を背負わせてはならないと訴えた。
自民内には70年談話で「謝罪外交」に区切りがついているとして、保守派を中心に新たな首相談話への反発が根強い。参院選が迫る中で首相はこうした状況を考慮したとみられる。