フリーランス法違反で45社指導 報酬額や支払期日を明記せず
公正取引委員会は28日、フリーランスとの取引が多い4業種を集中的に調査した結果、77社中45社が契約書面に報酬額や支払期日を明記しないなど、フリーランス法に違反していたとして指導したと発表した。昨年11月の同法施行後、指導状況が公表されるのは初めて。報酬の減額や製品の返品といった同法が定める禁止行為は確認されなかった。
フリーランス法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。組織に属さずに働くフリーランスが増える一方、弱い立場に置かれやすく、保護を目的として成立した。禁止行為のほか、発注元が業務内容や報酬額、支払期日などを書面やメールで明示し、製品や成果物の受け取りから60日以内に支払うなどの義務も定めている。
公取委によると、集中的に調査したのはゲームソフトウエア、アニメ制作、リラクセーション、フィットネスクラブの4業種。抽出した77社のうち、半数超で違反が確認された。
取引条件の明示義務違反は39社、期日内の報酬支払義務違反が21社、双方に違反していたのは15社だった。