２０１７年、熊本県警玉名署刑事課の巡査渡辺崇寿さん＝当時（２４）＝が長時間労働により自殺に追い込まれたとして、遺族が起こした損害賠償請求訴訟で県への賠償命令判決が確定したことを受け、上司だった警察官らが２８日、遺族宅を訪れ初めて謝罪した。元上司は「渡辺刑事を一日も忘れたことはない。一生心に刻みながら生きていきます」と述べた。遺族側が明らかにした。

　母美智代さん（６４）は記者会見で「上司に謝ってほしいという気持ちでずっといた。今日で区切りがついた」と話した。

　宇野晃警務部長は遺族宅で「心からおわび申し上げる」と頭を下げ、長時間労働抑制や勤務環境の改善に取り組んでいると説明した。