オリックス【きょうは何の日】1976年、阪急初の前後期完全制覇、山田26勝

 「阪急5-2南海」(1976年9月30日、西京極球場)

 阪急がパ・リーグ初の前後期制覇を決めた。阪急のリーグ優勝は2年連続7度目。前後期とも同チームが優勝したのは73年に2シーズン制を採用して以来初めて。

 上田利治監督が走った。七色のテープが舞う中を一目散に走った。ナインが追う。出来上がった輪の中から上田監督の姿が浮かび上がる。覇者の儀式の胴上げは手慣れた準備の割に簡単に終わった。続いてエース山田久志がナインの手で夜空に突き上げられたが、それもすぐに終わった。

 前後期制覇の快挙も日本一の強豪チームにとってそれほどの“価値”はなかったのかもしれない。パ・リーグの覇権の近くには必ず阪急があった。初優勝から3連覇。70年にロッテに奪われたペナントも翌年には奪い返して72年まで連覇。2シーズン制になった73年からは一方のシーズンを確実に取って毎年、プレーオフに駒を進めた。

 パの5球団は常に警戒の目を阪急に投げ続けた。底力を含めた総合力。しかし、なぜか縁のなかったプレーオフを初制覇した昨季は日本一の頂点まで登り詰めた。

 充実した顔ぶれとキャリア。現在の阪急の強さはV9の巨人に匹敵する。

 なんといってもその代表はエース山田。この試合も完投で26勝目。2年連続の開幕投手を勝利で飾り、前期優勝の胴上げ投手にもなった。そして後期も優勝の原動力となってこの日を迎えた。

 昨季は日本シリーズMVPになった山口高志に湿っぽい感情を持っていた。エースの座を奪われた思いがそうさせた。「そんなことなら野球を辞めたら」という幸枝夫人の言葉が山田を大人にした。「オレが悪かった」。高知キャンプでは体をいじめ抜いた。

 「ヒデ(加藤秀)のホームランで勝てたと思った。みんなの援護があったからここまでこれた。感謝したい」

 五回に逆転28号2ランを放った加藤秀司が、そして捕手の中沢伸二が握手を求めてきた。

 当日のスタメンは次の通り。

(8)福本 豊

(7)大熊忠義

(3)加藤秀司

(D)長池徳士

(4)ボビー・マルカーノ

(9)バーニー・ウイリアムス

(5)森本 潔

(2)中沢伸二

(6)大橋 穣

(P)山田久志

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