五輪3大会メダルの渡部暁斗が帰国 シーズン序盤は苦戦もスキー界最高権威「ホルメンコーレン・メダル」受賞
ノルディックスキー複合男子日本代表で、五輪3大会メダルの渡部暁斗(北野建設)が26日、ノルウェー・ラハティで行われたワールドカップ(W杯)複合を終え、羽田空港に帰国した。ラハティでは今季最終戦となった個人第19戦が行われ、11位だった。今季最高はノルウェー・オスロで行われた個人第16戦の8位だった。総合24位だった。「体調不良に始まって、スタートが今までの中で一番悪いスタートのシーズンになったんですけど、そこからなんとか持ち直した。世界選手権でメダルを取るところまでは間に合わなかったですけど、来季に向けて少し希望が持てるようなシーズンの終わりだったんじゃないかな」と今季を振り返った。
シーズン序盤には体調を崩し、胸膜炎が悪化するなど苦戦するスタートだった。「中盤から良い走りができていたらまた世界選手権も変わったのかなって思いますけど」と、順位が奮わなかったノルウェー・トロンヘイムでの世界選手権を悔やんだが、W杯では「そんなに大きな進歩ではないですけど、世界選手権の時よりも良いジャンプをして、オスロとラハティと戦うことができた」と手応えもあるシーズンとなった。
オスロ大会中には、スキー界最高権威の「ホルメンコーレン・メダル」を受賞した。日本人史上5人目の快挙で、「これまで取ってきたメダルとかトロフィーとは全然意味が違うもの。自分にとっては競技人生の中で最もうれしいと言っても良いくらい、感慨深い瞬間だった。試合結果に対するものではなくて、自分の競技人生というものを評価していただけたっていうところがやっぱり違う」と喜びを語った。
来年のミラノ・コルティナ五輪は「(競技人生の)一区切り」とし、集大成を見せる。「見ている人も、みんなが思わず息をのんでしまうようなレースで、自分も思わずガッツポーズが出るようなレースをできたらいいなというのが、頭に描いているオリンピックの姿」と力を込めた。