【野球】なぜ今年のパ・リーグは対戦相手が一巡する前に、また開幕相手と激突したのか 球界関係者が解説
先週末に行われたパ・リーグ3試合の日程、対戦相手に違和感を覚えた方もおられるのではないだろうか。セ・リーグでは各球団がそれぞれ5球団目と対戦し、対戦相手が一巡したのだが、パ・リーグでは対戦相手が一巡する前に、開幕戦の相手と再度戦うというカードが組まれていた。
ソフトバンクは開幕で3連敗を喫したロッテを相手に1試合は雨天中止となったが2連勝。日本ハムは敵地で開幕3連勝を飾った西武相手に1勝2敗。本拠地・京セラドームで2勝1敗と勝ち越していたオリックスは、敵地・楽天モバイルパークで3連勝を飾り、NPB史上初となるビジター開幕8連勝とした。
今季まだ対戦が組まれていなかった楽天-ソフトバンク、ロッテ-日本ハム、オリックス-西武は、開幕6カード目となる15日から激突する日程となっている。
セ・リーグでも同様の事例が2023年にあった。前年覇者のヤクルトは開幕戦で広島と対戦し、その後、中日、阪神、DeNAと対戦した後、5カード目で開幕カードの広島と対戦し、6カード目では開幕2カード目の中日と激突。対戦のなかった巨人とは、開幕から3週間後の7カード目にようやく対戦するという日程が組まれていた。
球界関係者に聞けば「当然、ヨーイドンで全球団がホーム&ビジターがきれい。日程を作るときにはベストを常に心がけて作るようにしているが、各球団から出てくる球場の使用不可とか、地方球場の使用条件など、いろいろな事情が入ってくるので、ベターな日程になる時があります」との回答を寄せてくれた。
本拠地でみれば、セ・リーグは東京から広島までの移動だが、パ・リーグは北海道から福岡までと、セ・リーグと比較すれば長距離移動が格段に多く、選手、関係者の負担も大きくなることなども容易に推測できる。
同氏は続けて「6球団の公平性を保ちながら進めていくと難しい時もある。過去にもそのような事例はいくつかありました。こればかりは難しい時もあるんですよね」と話してくれた。
ファンのために最高のエンターテインメイトを提供し、スムーズな試合挙行と各球団の負担も可能な限り軽減できるような日程を作ろうと頭をひねる難易度の高い作業。先週末のパ・リーグ対戦カードから、そんな裏側がのぞいて見えた。(デイリースポーツ・鈴木健一)
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