取材の裏側、もっと知りたい 新聞週間、モデルの藤井サチさん

 藤井サチさん
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 幼い頃から母親に「このニュースについてどう思う?」とよく聞かれて育ちました。もともと学ぶことが好きでした。

 今はテレビ番組にコメンテーターとして出演する機会も増え、新聞4紙のデジタル版を購読しています。

 新聞を複数紙読むのは、多様な角度から物事を見るためです。その方が、視野が広がると思います。

 新聞社によって考え方が違うので、同じトピックでも書き方が異なることがあります。それでも取材を尽くしているから、それぞれに根拠があるんだろうなと思っています。

 社説を読むのも好きです。オフィシャルに考えを発信するのは勇気がいること。(匿名でも発信ができる)SNS(交流サイト)とは違いますよね。内容に重みや厚みを感じています。

 動画投稿サイト「ユーチューブ」に開設した私の個人チャンネルでは、新聞記者を招いて時事問題を学ぶこともあります。これまでに少子化問題や少額投資非課税制度(NISA)の基礎知識、東京都知事選といったトピックを取り扱いました。背景や歴史が分かると、ニュースの見え方も全然違ってきて面白くなります。

 2024年は総選挙のほか、東京都知事選、(前職の失職に伴う)兵庫県知事選をはじめ、注目選挙が続きました。

 選挙期間中にSNSの言説が独り歩きして、結果にまで影響するような力を持ったことに驚いた人も多いはず。情報の発信者にとっては注目を集めることで(広告を多く表示させて)収益化を図るという目的もあったのか、真偽不明の極端な主張が飛び交いました。

 あふれる情報に疲れて、SNSを離れる人が周りにも増えています。

 AI(人工知能)の技術で、本当は言ってもいないことをある人が言ったかのように編集されたような偽の動画や画像といったフェイクニュースも出回るようになりました。

 こんな時だからこそ、信頼性の高い情報が整理された新聞という「原点」に戻る人もいるのではないでしょうか。ファッションの世界でも流行がリバイバル(復活)することってありますよね。

 私が身近な雑誌業界も、「活字離れ」に直面しています。ページ数が少なくなったり、海外での撮影がなくなったり、月刊だったのが季刊になったりと、厳しい状況はモデル自身も分かります。

 その中で生き残っているのは、ユーチューブの動画コンテンツを充実させるなど、早くからウェブ発信にも注力した媒体だと思います。

 私自身は最初、ユーチューブを始めるのは「負けた」気がして悔しかった。私がモデルになったのは10年以上前。これまで、皆で誇りを持って雑誌を作ってきたという思いがありました。

 でも、好きなことを続けられることの方が大事。今は選択肢が広がり自分にプラスになったと考えています。思い切ったシフトチェンジは「したもの勝ち」なのかなって思います。

 新聞業界も従来のやり方を手放すのはきっと勇気がいりますよね。

 でも、生存戦略として新しい柱を立てることは広がりを生むはずです。

 例えば私は、新聞記者が「取材先とこんな交渉をした」と内幕を語る動画をインターネットで見るのが好き。記者の人となりも含めて、裏側をエンタメ化するのも面白いのではないでしょうか。

 藤井サチ(ふじい・さち) 1997年生まれ。東京都出身。上智大学卒。2012年に中高生向け雑誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルとしてデビュー。ファッション誌「ViVi」(講談社)、「CLASSY.」(光文社)などでモデルを務める。コメンテーターとしてテレビの情報番組などにも出演している。

 この記事は春の新聞週間に合わせて、日本新聞協会の会員新聞・通信・放送社が共同制作したものです。

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