広島・新井監督 打線低調変わらずも「開幕が待ち遠しい」「昨年より良い形で打線も入っていけそう」
「オープン戦、広島1-3ソフトバンク」(23日、マツダスタジアム)
遮二無二駆け抜けろ。広島が6勝10敗2分けの10位タイでオープン戦全日程を終えた。新井貴浩監督(48)はスタンドに詰めかけたファンに「開幕が待ち遠しい」と強調。打線は低調な状態が続いているが「オープン戦とシーズンは別物」と前を向き、各選手の打撃内容を評価した。
悔しさにまみれた昨季シーズン最終戦後のセレモニーでのあいさつから約半年。新井監督は希望を胸に、あの時と同じ場所に立った。背には目をギラつかせた選手たち、スタンドを埋めるのは夢を膨らませる鯉党だ。マウンド付近に置かれたスタンドマイクを前に大きく息を吸うと、力強く決意表明した。
「2月から今日まで多少のケガ人は出ていますが、良い準備ができたと思っています。皆さん同様、私も来週の開幕が待ち遠しいです。シーズンは長いです。山あり谷ありだと思いますけど、最後に一番高いところに登れるように、ここにいる選手全員と頑張っていきたいと思います」
発展途上のチームだ。得点力不足解消のために昨秋から猛練習で若手を促してきたが、簡単なものではない。オープン戦のチーム34得点は12球団ワースト。この日も1得点に終わり、8戦連続3得点以下で開幕戦に向かうことになった。
ただ、指揮官にオープン戦の結果を悲観する様子はない。「今日も1点だけだけど、結構良い内容の捉えた当たりも多かったし、オープン戦とシーズンは別物だと思っている」。気をもんでいるであろうファンに向けても「皆さん、ご心配しているかもしれないですけど、大丈夫だと思います」と前向きな言葉を並べた。
期待のできる若手の出現が大きな希望だ。高卒5年目で育成からはい上がってきた二俣はキャンプからアピールを続け、この日も五回に左前打を放った。開幕を強く意識したオーダーで1番起用され、結果をマーク。新井監督も「打撃の方では若い選手の中で一番アピールをした選手だと思います」と目尻を下げた。
横一線の競争を掲げてきた中、野手では林と韮沢の2軍行きと羽月の1軍昇格が決定。「シーズンに入っても競争は続く。貪欲に、遮二無二アピールしてもらいたいなと。よろしく」と指揮官は力を込める。
昨秋キャンプから取り組んできた猛練習や若手のアピール機会の創出…。最善を尽くし、「昨年より良い形で打線も入っていけそうだなというイメージがある」と胸を張った。あとはシーズンに向かうのみ。セ界の頂へ-。“登山準備”は整った。
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