料理が得意な人、苦手な人、何がちがう?大人が上手になるには難しいワケ

料理が得意な人、苦手な人、何がちがう? ※写真はイメージです(buritora/stock.adobe.com)
大坪さやかさん
「こどもだけの料理教室ゆめつぼ」で一生懸命に料理を作る子どもたち
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 新年度が始まり、新たな生活をスタートさせる人が多いこの季節。初めての一人暮らしや、新しい事をはじめたいという時に注目されるものの一つに「料理」がある。しかし、あなたの周りは「料理が出来ない」「苦手」という人と、「料理が得意」「好き」という人に分かれないだろうか。この違いはどこから生まれてくるのか。これまで2万人の子供に料理を教えてきた、料理教室を運営する大坪さやかさんに聞いてみた。

 -料理が得意、不得意というのは何か違いがあると考えられますか?

 「やはり、子どもの頃から料理をやっているかどうかですね。料理をすると、人に美味しいと言われ料理が好きになる。そして、さらに料理をする、上手になる、という循環が生まれます」

 -確かに私の周りの料理が苦手な人は、母親が専業主婦で台所に入れないという子ども時代を過ごした人が多いように感じます。

 「料理が得意になるためには、コツをつかむまである程度失敗をしなくてはなりません。子どもの内は失敗することを恐れずに出来るのですが、大人は失敗すると、嫌になってしまいます」

 -仕事で失敗が許されない状況になるので、何事も失敗しないように、というマインドになりますよね。時間もないので、失敗すると「料理を辞めてお金を出した方が早い」という結論になる気がします。

 「ほかにも大人が料理を始めるときにはハードルがあります。例えばレシピ。初心者にはわかりにくくなっています。調味料の量が『適量』と書かれていることが度々あるのですが、初心者にはどのくらいの量が適切なのかわからない。材料の切り方も『いちょう切り』『たんざく切り』といういわゆる専門用語がわからない。さらには、普段入らない台所は料理を担当する人が使いやすい仕様になっているため、どこに何があるかわからない、などですね」

 -大人が料理を上手になるためにはどうすればいいのでしょうか。

 「まず、レシピは動画で見たほうがいいでしょう。材料を入れるタイミングなどは文章では書いていないことが多いので、一連の流れが確認できます。それから、失敗することがない簡単な料理を作れるようになることも第一歩としていいですね。大きく味に差が出ないカレーや、工程の少ないチャーハンがいいと思います。慣れてきたら自分の好きな料理に挑戦してみてください。それから、子どもと一緒に作ることもおすすめです。子どもの反応がおもしろいので、楽しんで料理が出来ますよ」

 -家族にとっても、いい効果がありますね。

 「普段料理を担当している人が風邪をひいたときなど、他にも作ってくれる人がいるといいチームワークが生まれます。料理はスポーツや楽器などと違って誰でも上達できます。自分好みの料理が作れるようになるととても楽しいので、ぜひ多くの人にしてほしいですね」

 実は大坪さんも元々料理が苦手だった過去を持つ。管理栄養士の仕事に就き、新メニューの試作を一品で10回以上行うなどの経験を経て料理が上達したと語る。

 最後にこう締めくくった。

 「料理と人生に失敗はない。料理は、失敗したと思っても取り返しのつくことばかり。それは人生と同じ」

料理とは哲学も学べる奥深いものだ。

 (デイリースポーツ特約・遠藤萌美)

 ◇株式会社ルーアンライト 代表取締役 大坪さやか

管理栄養士として少年院、小学校などで10年以上勤務。少年院で少年少女がスイートポテトを作った時に見せた笑顔をきっかけに、こどもの自己肯定感を育む「こどもだけの料理教室ゆめつぼ」を創業。現在日本最大規模の料理教室に。教室運営のほか、子供が一年以内に自立して料理ができるようになる、独自のレシピ動画の提供なども行う。

 ホームページ https://yumetsubo.com/

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