“光るサル”誕生 遺伝子改変で滋賀医大
蛍光タンパク質を作る遺伝子を組み込んで、皮膚が緑色や赤色に光るようにしたカニクイザルを、ウイルスを使わない遺伝子操作手法を用いて誕生させることに成功したと、滋賀医大などのチームが25日発表した。複数の遺伝子を同時に組み込む複雑な操作が可能になり、がんなどのメカニズム解明や治療法開発に役立つことが期待されるとしている。
チームによると、従来はウイルスを使ってDNAに遺伝子を組み込んでいた。しかしこの方法では組み込める量に上限があり、多数の遺伝子の発現は困難だった。
そこで今回は「トランスポゾン」と呼ばれる動く遺伝子を使って組み込む方法を採用した。この方法では、挿入できる遺伝子の数量に制限がないとされている。
チームはカニクイザルの卵子に、赤色と緑色に光る2種類の蛍光タンパク質を作る遺伝子を精子と一緒に入れ、受精胚を作った。母ザルの体内に戻して生まれてきたサルに対し、発光ダイオード(LED)ライトを当てたところ、光らせることに成功。遺伝子が正しく組み込まれていることを確認できた。