元阪神アリアス&マートンが証言する“オマリー効果” アレのために助っ人コーチ獲得しませんか

阪神コーチ時代のオマリー氏
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 2023年の阪神タイガースには、4人の新外国人選手が加入します。4選手中、野手はヨハン・ミエセス外野手とシェルドン・ノイジー外野手の2選手。もちろん彼らの入団を肯定的に捉えたい。だけど、改めて過去20年ほどの助っ人野手成績を見ると正直ゾッとします。

 2001年から22年まで、計27人の外国人野手がタテジマに身を包みました。そのうち通算300試合に出場したのはジョージ・アリアス内野手(02~04年)、アンディ・シーツ内野手(05~07年)、クレイグ・ブラゼル内野手(09~12年)、マット・マートン外野手(10~15年)、マウロ・ゴメス内野手(14~16年)の5選手のみ。つまり、野手に限れば17年以降“優良助っ人”が現れていないことになります。(筆者調べ)

 この調子だと、また“アレ”を逃してしまうんじゃないかと不安で仕方ありません。ちなみに上記5選手のうち、ブラゼル選手を除く4選手は日本シリーズでプレーしました。やっぱり助っ人野手の活躍がないと“アレ”や日本シリーズ進出は厳しいのかもしません。ミエセス&ノイジー、頼みますよ!

 記録を調べていて、興味深いことにも気づきました。アリアス、マートン、ゴメスの3選手在籍中に特別な打撃コーチがいたことです。そう、02~03年と14~16年はトーマス・オマリー氏が“助っ人コーチ”として籍を置いていたのです。同氏在籍の5年間で“優良助っ人”が3選手もいて、それ以外の期間ではシーツ選手&ブラゼル選手を除く22選手が力を発揮しきれずに退団。筆者は決して偶然ではないと思います。

 3選手についてオマリー氏に伺ったところ、次のように語ってくれました。「コーチ時代は良い打者に恵まれたよ。3人とも勤勉だったし、文化に適応しようとしてた。それが成功の大きなキーだと思う。日本の野球を変えようとせずに、自分がアジャストしないといけない」。さらに同氏は、自身の役割が技術指導だけではなかったといいます。「阪神のコーチ陣、通訳の方は素晴らしい。だけど、自分の打撃フォームや細かい技術のことを通訳を介してしまうと100%は通じないことが起こり得る。しっかりコミュニケーションをとっていたから、僕よりも3人のことを知っている人間はいなかった。グラウンド外でも何でも話せたし、彼らが落ち着いてプレーに集中できるように味方になってあげたよ」。

 そっか。確かに異国の地で「話を聞いてくれる相手」の存在は貴重です。実際に指導を受けたアリアス氏は「自分の能力を日本で上手く発揮できたのは、オマリーコーチが良いアドバイスをくれたからです。僕の成功に大きく貢献してくれました。彼はコーチ以上の存在だった。側にいてくれて、それだけでも心強かった」と“オマリー効果”を実感。マートン氏も「技術よりも大事だったのは、いつでも何でも話せて僕のことを理解してくれるコーチがいたこと。僕ら外国人選手の意見を代弁して監督と話してくれることもありがたかった」と感謝の思いを伝えてくれました。

 どんな助っ人野手にだって好不調は訪れるもの。調子が落ちている時に「良き理解者」がいてくれれば、その期間は短くなると思いませんか。岡田阪神は来季に向けて、投手を含めた助っ人5人体制を決断しました。けれど、もう1人獲得してほしい。日本プロ野球を経験している外国人コーチです。実現すれば、ミエセス選手、ノイジー選手が成功する確率がグンと上がると思います。すると自ずと“アレ”が可能になるはず。どうですか?助っ人専用コーチ、採用してもらえませんか?

 ◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。

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