プロ野球選手と大学生の共通点とは カナダ出身阪神ファンの現役英語講師の見解
「練習は嘘をつかない」「陰での努力が成功に導く」。以上の言い回しはスポーツだけに当てはまるのではない。英語講師である筆者が、常に学生に対して伝えている言葉です。3月は大学の授業がなく、4月まで学生と顔を合わせることはない。大学生にとっての「春休み」はプロ野球選手に置き換えると自主トレの期間に似ている。なぜなら指導者はこの期間ノータッチだから。学生もプロ野球選手も「自主トレ期間」の準備が非常に重要。考える時間が増えて新しい発見もあれば、経験豊富な指導者や先輩に聞きたいことが出てくることもある。
気合い十分でキャンプインするのは選手も学生も同じ。プロ野球はオープン戦を含めて2カ月間近くアピールして試行錯誤することができる。一方でチームメイトとの熾烈なポジション争いも存在する。学生の場合はキャンプ=授業で、前年度までに培った知識や能力をさらにレベルアップさせる。英語に対してコンプレックスを持つ日本人学生は、筆者のようなネイティブの講師による授業で「話す練習」に対して緊張している。そこで指導者(野球だと監督、コーチ)は、場を和らげる環境づくりの意識を高く持つべき。多くの学生は「間違える恐怖」を抱えている。だからこそ「間違っていいよ!むしろココが間違える最適な場所!なんなら間違えろ!」と激励しないといけない。野球と違って競争こそないけど、目標や未来像は各々あるでしょう。
プロ野球選手はキャンプやオープン戦を経てペナントレースに突入するけど、全てがうまくいくわけがない。優勝チームでも143試合のうち3分の1が敗戦で終わる。つまり50敗以上は当たり前。チーム失策も60個前後だし、打者は6割以上が凡退で終わっちゃう。投手も与四死球や暴投をゼロにするのは現実的じゃない。失敗するのは悔しいけど、反省と切り替えを上手にできれば最終的な数字は良いものになる。
大学生はどうでしょう?自主トレ=春休み、キャンプ=授業だとすれば、ペナントレースは何?そこはプロ野球と違って人それぞれだ。ある学生は留学を目指し、ある学生は日本国内の観光地でのアルバイトをしたいのかもしれない。海外出張や国際ビジネスミーティングを想定する学生がいれば、単にハリウッド映画のセリフや洋楽の歌詞を理解したい学生もいる。いろんな目標がある中、すべてに共通するのは「何もかもうまくいくはずがない」ということ。誤解、ミスコミュニケーション、恥ずかしい思いをするのは避けられない。でも野球選手と同様に反省と切り替えが大事。次回に同じミスをおかさないように考え、修正する努力が必要だ。
野球選手と外国語の学生にはもう一つの共通点がある。それは「今の自分に決して満足しない」ことだ。選手は常に上を目指している。優勝すれば日本一を目指し、達成すれば連覇に挑戦する。個人タイトルも同様。「もっと上手くなりたい」「まだ伸びしろがある」と信じてキャリア終盤まで努力を惜しまない。学生には「優勝」という明確なゴールはないが、日々のチャレンジをクリアして達成感を得るよう継続的に努力しないといけない。ネイティブ並みに外国語を操ることは極めて難しい。それでも近づけるように自分の伸び代を信じて可能な限り伸ばしていく。
大の野球ファン&大学講師の筆者。野球選手も学生も、全力で応援していきます。
◆トレバー・レイチュラ 1975年6月生まれ。カナダ・マニトバ州出身。関西の大学で英語講師を務める。1998年に初来日、沖縄に11年在住、北海道に1年在住した。兵庫には2011年から在住。阪神ファンが高じて、英語サイト「Hanshin Tigers English News」で阪神情報を配信中。
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