セパ両リーグはオープン戦の全日程が終了し、開幕まで１週間を切った。昨季まで阪神の監督を務めた岡田彰布オーナー付顧問（６７）が、阪神のライバルとなるセ・リーグ５球団を分析。阪神、巨人、ＤｅＮＡの三つどもえになると予想し、リーグ優勝奪回へのポイントを挙げた。

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　今季のセ・リーグは“３強３弱”になるやろう。阪神はもちろん３強の一角。昨季、リーグ優勝した巨人、同じく３位から日本一になったＤｅＮＡとともに、優勝を狙える位置にいることは間違いないわ。

　阪神のライバルに挙げた２球団は、監督としてチームを率いた昨季も手ごわかった。今年もここまでの調整を見る限りは強いで。

　巨人は投手が安定しているということが大きいわ。先発の菅野は抜けたけど、救援にマルティネスが加わったことで後ろがより盤石になっとるからな。大勢がセットアッパーになるから六回までにリードすれば、阿部監督は「終盤までに相手よりも１点でも多く取っておけば勝てる」という計算が立ちやすくなったわな。

　ＦＡで加入した甲斐も力を発揮すると思うで。もともとオーソドックスなリードで、そんなに配球で惑わすような配球はしてなかった。なんでかというと、ピッチャーの力があるソフトバンクにおったから。「打者の裏をかく」というリードじゃなくても勝ててたからやろう。巨人も投手力があるし、今まで通りにやればチームにハマるやろう。

　バッテリーが安定してるから、打線も余裕が生まれるわな。１点ずつの積み重ねでもいいし、そもそも本拠地が狭い東京ドームやから、ポンとホームランが出たら優位に進められるからな。

　新戦力で言えば、新外国人のキャベッジもええと思う。変な癖がないからバットの出がええし、広角に打てるからな。東京ドームやったら、ある程度もうホームラン出るかもな。優勝したメンバーも残って、やはり一番安定感はあると思うな。投打でスキがないな。

　ＤｅＮＡも強敵になるで。今まで勝てんかったチームが、去年勝ったことで得た自信は大きいと思うよ。今年はリーグ優勝を狙うというところで、バウアーが加入。もう完璧にプラスやわ。

　バウアー自身は短い登板間隔でも先発するつもりみたいやな。三浦監督がどういう起用をするかは分からんけど、バウアーが仮に中４日で先発したとしても、ローテにジャクソンとケイという外国人の先発が２人がいるのが大きいわ。

　バウアーが間隔を詰めても、外国人２人も登板間隔を詰めたりして対応できると思う。２人がいることでローテもうまく運用できるんじゃないか。日本の投手は中６日が中７日になるかもしれんけどな。

　もともとバッティングがいいチームやから、調子の波が大きかった。去年もバッティングがハマっている時は勢いを感じたし、めっちゃ強い時期があったな。野手も若手が出てきてるし、いい選手が多い。オースティンが１年間安定してプレーして、打線として波が少なくなれば、かなり手ごわいチームになるな。

　他の３球団で、怖いのは未知数な要素がある広島。阪神は開幕から広島、ＤｅＮＡ、巨人の順で対戦するけど、最初の３カード、９試合はきつい戦いになると思うわ。巨人とは表ローテにぶつかるし、ここをいかに乗り越えるかが、開幕して最初のポイントやろうな。

　シーズンを通して見ても、阪神は巨人とＤｅＮＡに直接対決で大きく勝ち越すことは簡単なことじゃないし、逆に大きく負け越すことも避けんとあかん。２チームにはなかなか同一カード３連勝はできへんで。

　だから、３チームはそれぞれの対戦成績は５分近くになると思うわ。優勝するには、現状では戦力的に劣る広島、ヤクルト、中日から取りこぼしをしないようにするかがポイントやろうな。

　－ＤｅＮＡのキーマンは？

　絶対、オースティンやろう。年々、ボール球を振らなくなってきとるし、低めも見極めるようになっとる。日本人に近い選球眼を持つようになっとるな。強引な引っ張りがないから余計に怖いよな。センターから右に打っても、横浜スタジアムならホームランになると思っとるんやろう。そういう打ち方になってるわ。だから、球を見極められるし、打率も残る。

　ＤｅＮＡはオースティンの後ろにもいい打者が控えとるから、相手は四球も与えられんしな。１年間、プレーできるかどうかがポイントやな。

　－巨人のキーマンは？

　やっぱり４番の岡本やで。将来的なメジャー希望も明かしているみたいやし、もしかしたら巨人での最終年になるかもしれへんから、本人も毎年勝負ぐらいの意気込みやろうし。岡本が今年どれくらいの成績を残せるかが、巨人のリーグ連覇にかかってくるわ。

　あれだけの不動の４番が打つ打たないの影響力は大きいし、やっぱりホームランを打てるバッターやから。ピッチャーはあかんかったら替えが効くこともあるけど、毎試合不動で打ってる打者は替えが効かへんからな。