穴井詩がPO制し2年ぶりV 正規18番全美貞が80センチ外し九死に一生!ベテラン健在アピールへ「自己ベスト目指したい」
「女子ゴルフ・ヤマハ・レディース葛城・最終日」(6日、葛城GC=パー72)
3日目に首位に立った穴井詩(37)=ゴルフ5=がプレーオフを制し、約2年ぶりの通算6勝目を挙げた。優勝賞金1800万円を獲得した。正規の18ホールを70で回り、通算13アンダーで並んだ全美貞(韓国)とのプレーオフでは1ホール目にバーディーを奪い、パーの全美貞を振り切った。大会のコース記録を更新する優勝スコアをマーク。自己最多の年間3勝以上を今季の目標に掲げた。
一度は優勝を諦めた。同じ最終組で回り、通算13アンダーで並んでいた全美貞が18番パー5でピンから約80センチに3オン。4打目のパットを全美貞の内側に寄せた穴井は“ウイニングパット”のため、先にパーパットを決めた。しかし、全美貞のバーディーパットは右にそれ、カップをくるりと回った。
「自分が(バーディーパットを)外した時点で(優勝は)ないなと。(全美貞は)当然、入ると思っていた。複雑で喜べない。気持ちは分かるんで…」と穴井。プレーオフでは、まさか再び巡ってくると思っていなかったチャンスを生かした。
飛距離が自慢で、2017年から昨季までのドライビングディスタンスは19、22年の1位をはじめ全て4位以内。ただ、この日は前半から降雨のため飛距離が伸びず、持ち味をフルに生かせなかった。プレーオフもキャディーと話し合い、3打目勝負を決断。正規の18番では第3打に思ったよりバックスピンがかかったこともあり「スピンが入らない距離を残そうと守りに入った」という。
2年前と同じプレーオフでの優勝に「心の余裕があった。いつになく落ち着いてプレーできた。2年前よりは成長したかな」と振り返った。シーズンの成績は23年の2勝、19年のランキング7位が自己最高。「自己ベストを目指したい」とベテラン健在をアピールするつもりだ。
◆穴井 詩(あない・らら)1987年11月11日生まれ。愛知県岡崎市出身。ゴルフ5所属。11歳でクラブを握り中学2年時に渡米。米国ノバサウスイースタン大を中退し、帰国後2008年7月にプロテスト合格。16年にツアー初V。昨年獲得賞金3730万7987円でランク30位。詩(らら)は音楽好きになるようにと名付けられた。身長165センチ、体重58キロ。