コースマネジメントを知らない!!

 プロを目指すゴルファーに「コースマネジメントをやっていますか?何を考えていますか?」と聞くと「ティーグラウンドで、一番安全なところを狙います!」多くの人が答えます。

 でもちょっと待って下さい。それではホール全体の景色やレイアウトを見ているのに、2打目を考えていません。2打目でグリーンを狙いやすい場所、あるいは、ティーショットでフェアウエーバンカーに入らない番手を持つなど「2打先まで考えましょう」と言いたいです。もちろん、思い通りにいかないことも多いでしょうが、少なくとも方向性の良い練習を続けていればペナルティーも少なくなります。

 コースマネジメントは、技術的にできる、できないにかかわらず、知っておくとスコアは明らかに違ってきます。今の自分にできる技術を認識し、実践可能なコース戦略を立てるのです。技術は練習と経験で上達するのですから、コースマネジメントをしっかり理解する必要があります。

 コースマネジメントとは何でしょう?良いスコアを作るためリスクの少ない攻め方を実行する。そのための正しいクラブ選択とショットの打ち分けです。

 正しいクラブ選択とショットの打ち分けをするのに必要なのは、各ホールのレイアウト(デザイン)、エレベーション(高低差など)などを知り、グリーン上のピンの位置などを把握すること。そして、決して忘れてならないのが“風の影響”です。

 ティーグラウンドからフェアウエーバンカーや池や小川などのハザードまでの距離や、グリーンまでの距離が詳細に書かれているコースレイアウト本を見慣れていることでしょう。試合当日は、グリーン上のピン位置も正確に表示されます。

 こうして、コース戦略の準備はそろいました。が、実はそろっていません。自分のボールの弾道、方向性、正確性、飛距離(キャリー)などを知らないと計画を立てることはできません。ここが一番の問題です。よくあるのは、クリークがあり、それを越えるドライバー飛距離はある、と自信を持って打ち、見事?飛距離足りずにクリークへ。あるいは、長いブッシュ越えでフェアウエー狙いがブッシュへまっしぐら。

 自分の各クラブの弾道や飛距離をしっかり知ること。どのくらいの高さでキャリー距離を知らないと、ボールが止まった距離で「280ヤード飛ぶ」などというのでは知識不足です。さらに、その時の風の状況をしっかり把握しなければ、正確な飛距離は計算できません。ただ単に飛距離で計算して届くから「グリーン狙います」と簡単にクラブを選ぶ人はアンダースコアにはほど遠いのです。

 1センチでもグリーンの近くに寄ればいいはアマチュア。プロは、1センチでもピンの近くに寄ればいいのです。しかも、やさしいラインを残すことまで考えると、グリーン周りのややこしいラフやバンカーなどは避けたいところ。そこで、刻んでピンに絡めていく方法も意味を持ってくるのです。

 自分の腕前とコースの状況を考えてバーディーを取ったり、パーをセーブすることは、守りに入るのではなく、むしろ攻めなのです。逆に、自分の腕前を過信しバーディー逃しを繰り返すことの方がスマートではなく、単に無茶で思慮が足りないプレーといえるでしょう。ミラクルショットは滅多に出ないことも理解しておきましょう。

 自分のゴルフ技術がコースマネジメントには大きく影響してきますが、勝てるプロになるには、練習量が増え続けること。うまくなればなるほど、1センチでもピンの近くに寄せる練習、短いアイアンのピンに絡むショットの練習で刻む攻めができる。パットの練習もエンドレスです。プロテストに受かることがゴールではなく、プロテストは入学テスト。落第しないように、厳しい練習を積んで勝つことが、本当の目標なのでは?(LPGAインストラクター・今井貞美)

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