映画監督・篠田正浩さん 死去 94歳 岩下志麻とおしどり夫婦“職場結婚”から強い絆
戦後日本を代表する映像作家の一人で「心中天網島」「瀬戸内少年野球団」「少年時代」など多くの名作を手がけた映画監督の篠田正浩さんが25日午前4時55分、肺炎のため死去した。94歳。岐阜市出身。設立した独立プロダクション・表現社が発表した。すでに葬儀は家族葬で執り行われ、後日、お別れの会を行う予定。女優・岩下志麻(84)とのおしどり夫婦としても知られた。
巨匠がまたひとり旅立った。篠田さんは早大卒業後の1953年、松竹に助監督として入社。大島渚、吉田喜重両監督らと共に若手世代を代表する「松竹ヌーベルバーグ」の旗手と呼ばれた。
60年に入社した岩下志麻を監督2作目「乾いた湖」のヒロインに起用。66年にフリーとなり、同じく独立した岩下と67年に「表現社」を設立して結婚した。“職場結婚”やほぼ同時期の独立に対し、周囲から大きな反対があったが、2人のタッグで「心中天網島」「はなれ瞽女(ごぜ)おりん」など映画史に輝く傑作を生みだした。
引退作となった2003年の「スパイ・ゾルゲ」は「これが撮れたら死んでもいい」とまで言い切り、構想10年、製作費20億円をかけた渾身(こんしん)作。キャンペーンでは岩下と全国行脚した。「監督としてラッキーだったのは岩下志麻と出会えたこと」と語るなど、強い絆で結ばれた夫婦だった。
21年に都内で行われた映画「夜叉ヶ池 4Kデジタルリマスター版」の初日舞台あいさつが最後の公の場。
関係者によると、篠田さんは骨折で都内の病院に入院していたという。岩下は献身的に付き添ったが、24日に一時帰宅。篠田さんは、帰宅することを告げた岩下に「うん」と応答したという。しかし、25日未明に容体が悪化。最愛の妻にみとられることなく、天国に旅立ったという。
岩下は29日に東京・丸の内TOEIで行われる主演映画「極道の妻たち」の上映後に舞台あいさつを行う予定だったが、急きょ中止が発表された。
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