X（旧Twitter）ユーザー・ひなてまリンさん（@hina20221019）は、ハチワレの女の子「リン」ちゃんと暮らしています。2023年12月、推定2～3歳だったリンちゃんを保護し、家族の一員として迎え入れました。先住猫のひなちゃん、てまりちゃんと過ごす新しい生活は、家族に多くの気づきと笑顔をもたらしています。今回は、リンちゃんとの出会いと、そこから始まった温かな日常をお届けします。

■偶然の出会いと保護を決めた理由

リンちゃんとの出会いは、飼い主さんの勤務先である会社の敷地内でした。以前、先住猫のひなちゃんを保護した場所と同じ敷地で発見されたのです。

「ひなちゃんを保護したのと同じ敷地内で、会社の人から『猫が寄ってくるんです』と聞いたんです。その場所は人家もほとんどなく、年末年始で人の出入りも少なくなるとわかっていました。寒い中、リンちゃんが外で一人きりなのを想像すると……放っておけなくて」

飼い主さんはすぐに保護を決意。会社の人たちの協力を得て、リンちゃんを迎え入れることになりました。

「初めてリンちゃんを見たときは、少し緊張している様子もありましたが、人懐っこさも感じられて。『この子を守りたい』という思いが自然と湧いてきました」

こうしてリンちゃんは、新しい家族との暮らしを始めることになったのです。

■新しい生活での試練と先住猫たちとの距離感

お迎え後、穏やかな日々が始まると思いきや、家族にとってもリンちゃんにとっても試練の連続でした。

「リンちゃんはおうちに来てから数か月間、夜鳴きがやまず、心細そうに鳴き続けていました。ストレスが原因なのか、自分の毛を抜いてしまうこともあって……。どうしたら安心してくれるのか、悩みました」

さらに、避妊手術の予約がなかなか取れず、発情期を迎えたリンちゃんは吠えるように鳴いたり、トイレ以外の場所で粗相をしてしまうこともあったといいます。

「リンちゃんにとっても、そして私たちにとっても我慢の時間でした。今思えば、あのころは家族全員で頑張って乗り越えた期間だったと思います」

また、先住猫たちとの対面も簡単ではありませんでした。

「ひなちゃんは興味津々で近づくものの、『シャー！』と威嚇してしまって。てまりちゃんは怖がりなので、遠くからじっとリンちゃんを観察していました。ピリピリした空気の中で、うまくいくのか不安でしたね」

しかし、てまりちゃんを迎えたときの経験を活かし、飼い主さんは時間をかけて関係を築く方法を実践しました。同じ空間でおやつを分け合い、一緒におもちゃで遊ばせることで、少しずつ距離が縮まっていきます。

「ある日、気づいたらリンちゃんがひなちゃんやてまりちゃんの隣で寝ていたんです。その光景を見たときは、本当にほっとしました。半月もたたないうちに、みんなが一緒にくつろぐ姿を見られるようになって、すごくうれしかったです」

■優しさを見せるリンちゃんと、3匹がもたらす日常の幸せ

繊細で少し不器用なリンちゃんですが、家族や先住猫たちに心を開いてからは、優しさを見せるようになりました。

「今では、ひなちゃんやてまりちゃんに寄り添って一緒に寝たり、私が家の中を歩くと、リンちゃんが後ろをついてきてくれるんです。まるで見守ってくれているみたいで、そういう瞬間がたまらなく愛おしいです」

リンちゃんたちの関係は、べったり仲良しというわけではないものの、お互いを思いやる穏やかな関係が築かれています。誰かが仲間外れになることはなく、互いに毛づくろいをし合ったり、時にはぴったりくっ付いて猫団子になって眠ることもあるそうです。

「猫って、もっとみんな同じようなものだと思っていました。でも、それぞれまったく違っていて、個性があるんです。うちの子たちはもちろん、SNSで見かける他のおうちの猫たちも、前より何倍も愛おしく感じるようになりました」

もちろん、心配や手間が増えることも事実です。それでも、飼い主さんにとってはそれ以上に笑顔と幸せな時間をもたらしてくれる存在であるといいます。

■「大好き」を何度でも、これからも一緒に

リンちゃんへの想いを尋ねると、飼い主さんは微笑みながら語ってくれました。

「大好き。この言葉は何度でも伝えたいんです。できる限り健康で長く一緒にいたいから、毎日の体調管理や定期的な健康診断は欠かせません。猫たちがストレスを感じないように、私たちも笑顔で寄り添っていきたいと思っています」

リンちゃん、ひなちゃん、てまりちゃんが紡ぐ日常は、これからも飼い主さん一家に温かな幸せを運び続けてくれることでしょう。

（まいどなニュース特約・梨木 香奈）