母猫は交通事故で、姉妹猫も亡くし…19歳の三毛猫が「分離不安症」と「認知症」 ひとりぼっちの不安に鳴き続ける日々、飼い主が取った行動は?
猫の完全室内飼いが当たり前になり、人間と猫の距離がより近くなっている今、愛猫の「分離不安症」との向き合い方に悩んでいる飼い主は意外と多い。分離不安症とは、猫が飼い主と離れることに強い不安を感じ、嘔吐や過剰グルーミング、粗相などの行動を取るようになる心の病気だ。
まゆさん(@nekoneko_maro_8)の愛猫やすえちゃん(19歳)は姉妹猫が亡くなったことを機に、分離不安症と認知症を発症した。
飼い主さんは猫用の向精神薬を与えたり、心を傷つけない接し方を心がけたりしながら、やすえちゃんの心が少しでも楽になるよう、努力している。
■交通事故で母猫を失った姉妹猫を保護
やすえちゃんは、野良猫が産んだ子だ。母猫は交通事故で逝去。姉妹猫みつこちゃんと共に空き地で鳴き喚く姿に胸を痛めた飼い主さんの家族は、2匹を保護した。
お迎え後、やすえちゃんは甘えん坊のお喋りにゃんこに成長。寒い時期には毎日、飼い主さんの布団で一緒に眠るようになった。
「名前を呼ぶと、元気にお返事。毎日お腹を触ってほしがり、たまに胸のあたりでダランとして変な恰好を見せてくれます(笑)」
■姉妹猫を失って「分離不安症」と「認知症」を発症
分離不安症の症状が見られ始めたのは姉妹猫みつこちゃんが亡くなり、ひとりっ子になった頃だった。
みつこちゃんは糖尿病の治療を2年間頑張り、2024年12月下旬、19歳で天国へ。姉妹は寒い時と機嫌がいい時だけ寄り添い合う関係性だったが、長年共に生きてきた存在を失ったからか、やすえちゃんは悲痛な鳴き声を発するようになった。
「お迎え当初から10匹の猫たちと暮らしてきてひとりっ子になったことがなかったことやみつこの闘病中に甘えたい気持ちを我慢し続けたことも大きかったのかもしれません」
加えて、やすえちゃんには認知症の症状も現れた。寝ている時以外はよく鳴くようになり、1日に何度かは唸るような声を出す。唸り声のような低い声で鳴く時には顔つきも変化する。
そんな様子を見た飼い主さんは、獣医師に相談。猫用の向精神薬を処方してもらった。
「でも、向精神薬は元気がなくなってしまったので、今は分離不安症に効果があると言われているサプリメントを飲ませて様子を見ています。サプリは、一粒100円。獣医師によれば、20日は飲ませないと効果が見られないそうです」
■サプリだけに頼らない「分離不安症」との向き合い方
やすえちゃんの分離不安症が少しでも落ち着くよう、飼い主さんは接し方も工夫している。特に意識しているのは、できる限り怒らないこと。やすえちゃんの鳴き声で寝不足になることはあるが、人間の苛立ちをぶつけないように心がけている。
「私は在宅ワークなので、仕事中に大声で鳴かれた時にはブラッシングやマッサージ。優しく『どうしたの?』と聞いてから顔まわりを撫で、気をそらすようにしています」
なお、やむを得ず、部屋から出ていかねばならない時や家を空けたりする時には、YouTubeを活用。猫向けの癒し動画を流しっぱなしにしている。
「ここまで長生きしてくれた子は初めてなので、私自身も分からないことばかりですが、この子を幸せにすると決意した最初の頃の気持ちを思い出し、亡くなった子の分まで幸せにしていきたいです」
動物医療は着実に進歩しているが、分離不安症のような心の疾患への治療はまだ手探り状態なところがある。人間と同じく、動物も心がある生き物であるからこそ、動物の心に着目した医療もさらに発展してほしい。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
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