小林製薬株主総会、新体制を承認 社外取を議長にする定款変更否決
小林製薬は28日、大阪市で定時株主総会を開いた。紅こうじサプリメントによる健康被害で批判を浴び、経営改革を進めるため新任8人を含む10人の取締役選任議案は承認したが、役員会議長を社外取締役にする定款変更は否決した。「創業家依存経営からの脱却」を掲げながら、前社長の小林章浩氏は取締役に留任予定で、大株主の外資系ファンドは一部反対を表明していた。
山根聡社長は総会冒頭で「健康被害を受けた人への謝罪と補償を最優先にして対応したい」と述べ改めて謝罪した。株主から取締役としての業務内容を問われた章浩氏は「補償対応を進めている」と返答した。
取締役の候補者は京セラ出身で日本航空の再建に携わった会長候補の大田嘉仁氏ら。香港系ファンドの「オアシス・マネジメント」は健康被害への対応や創業家支配を問題視して、章浩氏や大田氏ら4人の選任に反対している。
定款変更は、これまで会長か社長が務めると定めた取締役会の議長を、社外取締役に変更する内容。昨年8月に就任した山根社長は、総会後に退任する。