「東都大学野球、中大５－３青学大」（７日、神宮球場）

　開幕し、中大がリーグ５連覇を狙う青学大に逆転勝利した。３－３の六回２死二塁で、伊藤櫂人内野手（３年・大阪桐蔭）が初球を捉えて左越えへ勝ち越しＶ２ラン。昨年は春秋ともに目の前で優勝を見届けた相手に対して開幕白星を飾った。

　アクシデントを一丸で乗り越えた。先発予定だった岩城颯空（はくあ）投手（４年・富山商）が発熱により、山口謙作投手（４年・上田西）が急きょ先発。初回から２者連続の適時打を浴びるなど３失点で２０球で降板となった。

　それでも、なおも２死一、二塁で登板した子安秀弥投手（２年・東海大相模）がピンチを脱すると、その後の攻撃で初回に１点、二回に佐藤壱聖内野手（３年・東日本国際大昌平）の適時打などで２点を奪い同点に追いついた。

　子安は３回２／３を無失点と力投。五回１死一、二塁のピンチで登板した三奈木亜星投手（４年・浦和学院）も３回２／３を無失点と好投し、九回は東恩納蒼投手（２年・沖縄尚学）が三者凡退に封じた。

　伊藤は「自分が入学してから開幕戦を１度もとったことがなくて、意識はあった。初戦が青学大ということで、チーム全体で『やっていこう』と粘り強く戦えた」と納得顔。一方で「今日打てたことは今日までにして。明日勝たないと意味がないので」と勝ち点奪取へ向けて気を引き締めた。

　敗れた青学大もアクシンデントがあった。１年時から正捕手の渡部海捕手（３年・智弁和歌山）が肩の故障により、ベンチ入りも欠場。安藤寧則監督は「１００％でいけない状態なので無理をさせないように」と説明し「（チームに影響が）ないと言ったらウソになりますけど、良い意味で他の捕手が（立場を）取っちゃえと思っています」と話した。

　先発して６回４安打５失点（自責３）だった中西聖輝投手（４年・智弁和歌山）はリーグ戦通算２０試合目にして初黒星（通算８勝）となった。「（捕手は）普段の練習から誰と組んでも良い状態を作っているので、僕のミス。技術不足です」と反省。「ここから自分がどう立て直すかがチームの勝敗に大きく関わってくると思うので、大きく崩れることなく、きょうよりも良い投球をしたい」とエースとしての責任感をにじませた。