「デジタル画像みたい」「目の錯覚?」福岡市の繁華街・天神に出現したこの「木」、なんの木?
福岡市の繁華街・天神に今年2月、デジタル画像を立体化したような「木」が出現し、道ゆく人たちの注目を集めている。この木って一体なに?
話題の「木」があるのは4月24日に開業する大型複合ビル「ワン・フクオカ・ビルディング(ワンビル)」の前。渡辺通りと福博であい通りが交差する南西側広場に立っている。道ゆく人からは「デジタル画像を見ているかのよう」「目が錯覚を起こす」などの声が聞かれ、ほとんどの人が携帯などで写真を撮っていく。
同ビルを管理、運営する西日本鉄道(株)によると、この木の正式名称は「Pixel Tree(ピクセル・ツリー)」。ブエノスアイレス生まれのアーティスト、レアンドロ・エルリッヒ氏の作品だという。同氏は視覚的な錯覚を活用したインタラクティブなインスタレーションを生み出すアーティストとして世界で活躍。日本では金沢21世紀美術館に展示されている「Swimming Pool」などがある。
この「Pixel Tree」は現実の自然界と身の回りに存在するバーチャルの融合をコンセプトにした作品だという。上部の葉の部分は、ステンレスとアルミでできた大小2千個以上の立体的な正方形(キューブ)、木の幹は実際の木を模倣し、アルミの鋳物でリアルに表現している。
「新規開業するワンビルのコンセプトは『創造交差点』です。レアンドロ氏にはその旨や周辺の環境などをお伝えし、まちゆく人たちが楽しめるパブリックアートを、とお願いしました。このPixel Treeの構想を聞いたとき、まさにコンセプトにマッチする作品になると思いました。レアンドロ氏は人の知覚を揺るがすような作品を通して、我々がどのように事象を捉え、空間と関わり、そして現実を把握していくかについて探求する作品を生み出されており、Pixel Treeもまさにそれが明快に表現されたアートだと思います」(同社担当者)
Pixel Treeの周りを囲むベンチや、上下から照らし昼間とは違った印象を与える夜間照明も設置され、ワンビル開業と併せて4月下旬に完成する予定だ。
「世界的なアーティストの作品を、恒久的に屋外で誰でも自由に見ていただけるのはとても稀有なこと。すでにSNSでたくさんの反響をいただいていて、とてもありがたいです。Pixel Treeだけでなく、開業するワンビル内にはアーティスト21名による計126のアート作品(2月21日現在)が点在します。天神の新しい待ち合わせスポットとして注目してほしいのはもちろんのこと、アートと触れ合うために天神を訪れたいと思ってもらえたら嬉しいです」(同)
(まいどなニュース特約・西松 宏)
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