多頭飼育崩壊から救出された「バカ殿柄」の猫 甘えベタで引き取り手なく「ガマンしちゃうタイプ」
猫の中には、ユニークな毛柄を持つ子も多いもの。ちまきなころんさんが愛を注いでいるシローくんは、なんと志村けんさんが扮した「バカ殿」を思い出させる毛柄だ。
個性的な毛柄であるからか、シローくんにはなかなか里親希望者が現れない。現在は、ちまきなころんさん(@chimakinakoron)の同級生が運営する、保護猫ルームを併設したペット霊園「さわらメモリアルパーク」にて自分だけを愛してくれる里親さんとの出会いを待ちわびている。
■多頭飼育崩壊現場から兄弟と共に救出された
シローくんは、多頭飼育崩壊の現場から救出された子だ。2023年7月、高齢の元飼い主さんは罠にかかった3本足の猫を可哀想に思い、ご飯をあげ始めた。
やがて、元飼い主さんは行所に住む他の猫たちにもご飯をあげ始める。避妊・去勢手術を行わなかったため、猫たちは繁殖。多頭飼育崩壊となった。
相談を受けたのは、個人で保護猫活動をしているボランティアさん。そのボランティアさんが介入したことで、生後1カ月ほどの子猫4匹が保護された。
シローくんは、そのうちの1匹だ。兄弟と共に保護され、保護団体からの依頼で「さわらメモリアルパーク」の保護猫ルームで里親との出会いを待つことになった。
不衛生な環境にいたため、保護時は猫風邪を患っており、お腹には寄生虫がいたそう。動物病院では猫風邪や寄生虫の治療だけでなく、ノミ・ダニの駆除も受けた。
「だだ、保護が早かったので、その後のお世話で回復できたんです」
■4兄弟の中でひとりだけ里親が決まらず…
4兄弟はそれぞれ性格に個性があったが、子猫だったため、すぐに心を許し合い、仲良く過ごすようになった。名前は1から4の数字をもとにして、「いっちー」「にんにん」「さんご」「しろー」とで名づけられた。
最初に「ずっとのおうち」を得たのは、キジトラのさんごくん。4兄弟を迎えた直後に里親さんが決まった。
「みんな、柄にもそれぞれ特徴がありましたが、里親さんはスムーズに決まっていきました」
なお、さんごくんの里親さんは1年後、にんにんくんも自宅に迎え入れたそう。いっちーくんは都会に住む里親さんに引き取られた。
しかし、なぜかシローくんだけ里親さんが決まらず…。「さわらメモリアルパーク」には毎日たくさんの人が訪れており、シローくんはお客さんから「かわいい」と言われることも多い。だが、「お迎えしたい」と選ばれるのは、なぜかいつも別の子。
シローくんは大好きな兄弟が貰われていった時、とても不安そうだったという。
切ない姿を何回も見てきたからこそ、ちまきなころんさんはシローくんが“ずっとのおうち”を見つけられるように…と願わずにはいられないのだ。
■自分だけに愛情が向けられる環境で幸せになってほしい
「私自身、幼少期はバカ殿を見て育ちました。シローを見ると、情報過多にならずに家族でテレビを見た時代を思い出し、懐かしくなります」
シローも多くの人を笑顔にしたバカ殿のように、オンリーワンな個性あふれる柄で家族の笑顔を引き出す存在になってくれるはず。ちまきなころんさんはそう信じ、シローくんの里親探しを続けている。
ちなみに、バカ殿柄だけでなく、なぜか困っているように見えるお顔もシローくんの個性だ。
シローくんは生まれてからずっと、他猫がいる環境で生きてきた。現在も複数の猫たちが暮らす保護猫ルームで生活しており、自分だけの愛情を貰ったことがない。
「本当は甘えたいのに我慢してしまい、自分から行けないタイプ。だから、里親さんにはどんどん甘やかしてほしい」
一身に愛情を注がれた経験がなく、過酷な環境のなかでどうにか命を紡いできたシローくん。安心できる里親さんのもとでとことん甘やかされる日が、早く来てほしい。
シローくんの日常は「さわらメモリアルパーク」のインスタグラムからも知ることができるので、気になった方はぜひチェックしてほしい。
(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)
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