「かわいくなくない?鼻がでかいし」と言われた黒猫…でも「私には世界一かわいい子」飼い主の思いに共感続々

「『お宅の猫、あんまりかわいくなくない?鼻がでかいし』と言われてショックで涙……。かわいいよねえ? 少なくとも私はかわいいと思ってるよ」

そんな投稿をX(旧Twitter)に綴ったのは、黒猫トニーさん(@tony911meow)。愛猫「トニー」くんとの日常を発信している飼い主さんに届いた思いがけない言葉。当時の状況、そしてトニーくんとの出会いと暮らしについて、お話を伺いました。

■猫が好きな知人から届いた言葉だった

その言葉を送ってきたのは、SNSで猫好きだと語っていた相手だったそうです。

「SNS経由で『お宅の猫、あまりかわいくなくない?』と言われました。『鼻がデカいし……』と、顔のパーツまでダメ出しされて……。猫好きだと言っていた人だったので、なおさらショックでした」

その場で言い返すことはなかったという飼い主さん。しかし、その言葉は、心にしこりのように残ったといいます。

「私は特に言った本人にリアクションはしていません。でも、心の中にモヤモヤしたものが残りました。飼い主はみんな、自分の猫がいちばんかわいいと言い切れるものだと思うんです。私もまた『うちの子、かわいい!』という揺るぎない気持ちがあります」

大きなショックを受けたとき、人はすぐに反応できないこともあります。飼い主さんもまた、あとからじわじわと悲しみに押しつぶされそうになったといいます。

「心の整理がつかなくて、独り言のようにXでそのときのことを投稿したんです。すると、たくさんの励ましの言葉をいただきました」

愛猫へのまっすぐな気持ちは、多くの共感を集めました。飼い主さんの思いは、静かに、でも力強く届いたのです。

■保護猫カフェに行くはずだった…運命の出会い

厳しい夏の日。トニーくんは、兄弟猫とともに危険な場所に身を寄せていました。

「トニーは外で生まれ、生後3週間ごろ、真夏のある日、車のボンネットの中で兄弟猫と一緒にいたところを、個人で猫の保護活動をされている方に助けられました。兄弟猫は愛護センター経由で早々に里親のもとへ。トニーは、しばらく保護主さん宅で暮らしていました」

当時、保護主さんの家にはすでに2匹の先住猫がいたため、トニーくんはいずれ保護猫カフェへ移る予定だったといいます。

「保護猫カフェは、常に“ずっとのおうち”を待っている猫ちゃんでいっぱいでした。そのため、すぐにはトニーを迎えられず、順番待ちをしていたのです」

そして2020年9月、トニーくんと飼い主さんは運命的な出会いを果たします。

「私は、たまたま保護猫カフェを訪れたのです。そこでオーナーさんから『もうすぐ入店予定の黒猫の子猫がいるけど、会ってみませんか?』と声をかけられました。それがトニーだったのです」

飼い主さんは、幼いころから動物が大好きでした。自立したら、いつか保護動物を迎えたいという夢を抱いていたといいます。

「実家の事情などで動物を迎えることは難しかったため、『大人になって自分で生計を立てられるようになったらお迎えするぞ!』と思っていました。高校生のころ、同じクラスの友人が保護犬と暮らしていることを知って、保護犬や保護猫の里親になるという選択肢があることを知ったのです。それからは、私も保護された子を迎えたいと思うようになりました」

時を経て、大人になった飼い主さんは譲渡会に通い始めました。しかし、なかなか“この子だ”と思える出会いには恵まれなかったといいます。トニーくんと初めて会ったときのことを、飼い主さんは今でも鮮明に覚えているそうです。

「トニーはとても小さくて、人見知りせずに私の手からおやつを食べてくれました。その姿がとても印象的で『この子と暮らしたい!』と思ったのです。私にとってトニーは、まさに運命の猫だったんだと思います」

■ベストパートナーになったトニーくんと飼い主さん

トニーくんは、現在4歳7カ月を迎えました。

「とても甘えん坊な子です。いつも私にべったり。家で仕事をしたり、ご飯を食べたりしているとき、ずっと膝の上にいるんです。夜、寝るときも同じ布団で寝ています」

また、やんちゃなところは今も変わらないといいます。

「大人になったら落ち着くかなと思っていたのですが、今もよくいたずらをします(笑)。家に荷物が届くと、怖がることなくすぐ検品。新しいおもちゃも怖がらず、積極的に遊ぶ好奇心旺盛な子です」

トニーくんと飼い主さんには、多くの励ましの声が届いています。

「この世にかわいくない猫など存在しません」

「何を言ってるんでしょう? 猫は存在自体かわいいのに」

「びっくりしました! 逆にかわいくない子がいるんですか? 猫族はみんなかわいい子しかいないと思っています」

「どの子もかわいいって私は思うけど、この黒猫ちゃんは、とても気品があって美しいと思います」

「かわいいに決まってるじゃないですか! ハンサムだし。というか猫であるだけで勝ちなんですよ」

「『かわいくない猫』なんて『熱くない熱湯』みたいな哲学的概念でしかありません。すべてが完璧。すべてがかわいいのです」

誰かのひと言に傷つくことがあっても、変わらず愛おしい存在がそばにいる。それだけで、世界の見え方は優しく変わっていくのかもしれません。トニーくんと飼い主さんの絆は、これからも穏やかに、そしてあたたかく続いていくことでしょう。

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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