「プレシーズンゲーム、阪神３－０ドジャース」（１６日、東京ドーム）

　阪神が前日のカブス戦に続き、ドジャースにも完封勝利を飾った。先発の才木浩人投手は５回１安打無失点７奪三振と圧巻の投球を披露し、佐藤輝明内野手の３ランが決勝弾になった。デイリースポーツ評論家の佐藤義則氏は才木について「大谷を力で押さえ込んだ」と評価した。

　　◇　　◇

　才木と大谷との対決は見応えがあった。第１打席は真っすぐで追い込み、フォークの３連投で空振り三振。大谷の頭には最後も真っすぐが来るのではという意識があったと思う。２打席目は真っすぐ勝負で、内角高めの球で詰まらせてのセンターフライ。コースも高さも良かった。力で押さえ込んだ投球だった。

　才木は５回を１安打１四球で無失点。文句のつけようがない内容だ。真っすぐで空振りが取れていたし、変化球もよく決まっていた。打者の読みを外した坂本の配球もさえていた。見逃しのストライクが多かったところにそれが表れている。

　２番手以降の４投手も強い真っすぐで空振りを取っていて、それぞれに持ち味を発揮した。ドジャースにとっては調整試合で、まだ“本気”は出していないと思うが、それでも去年、世界一になった打線相手にこれだけの結果を残せたのは大きな自信になるだろう。

　打者では佐藤輝が高めに浮いた球をコンパクトな振りできっちり仕留めた。彼のパワーなら、あれだけ軽く振ってもスタンドまで楽に届くということ。元来はローボールヒッターで、これまであの高さの球をホームランにしたことはあまりなかったと思う。高めの球はスピンが効いて強さもある。今までなら強振してファウルにしかならなかったが、その球をコンパクトに打ち返せたところに成長を感じさせた。