nWoの元ネタは狼群団だった

 もうすぐ平成が終わる。平成とともにプロレス人生を歩んできたプロレスラー、蝶野正洋が平成のプロレスを振り返った。今回は、話題を呼んだnWoについて語る。

  ◇  ◇

 今回はnWoについて話そう。

 自分は94年にヒール(悪役)転向したけど、しっかりとした目的があったかと言えば、そうでもなかった。言ってみれば、正規軍の枠から飛び出す家出みたいなもの。でも、それが伝わらないといけない。そこでコスチュームを黒い、学ランや軍服をイメージしたものに変えて、とにかく単独で行動した。

 だから、試合はほとんどシングルマッチ。でも、それだとマッチメークが難しいということでヒロ斎藤さんと組むようになり、95年には天山広吉も合流して、狼群団と呼ばれるようになった。

 それが思わぬ方向に発展していった。95年4月に北朝鮮で興行(平和のための平壌国際体育・文化祝典)があって、そこで新日本プロレスと業務提携していたWCW(米国のメジャー団体)のエリック・ビショフ副社長に「あれをやってくれないか」と誘われたんだ。自分がやっていた会社批判や舞台裏の抗争を表に出すことはアメリカにはなかったらしく、面白いと。それとブラックのチームカラー。だけど、自分は余裕がなくて断った。

 すると、96年7月ぐらいにWCWでハルク・ホーガンらがnWoと名乗る黒いヒールに転向した。後で聞いた話だけど、自分らの動きを見てマネしてると言っていたよ。それが新聞に載って、記者が「蝶野さんのパクリじゃないですか」と言ってきた。自分も「だったら手を組もうか」と記事を飛ばしたら、それがきっかけで12月にWCWに行くことになって、「日本でもできないか」と話を持ちかけたら、「やろう」となったんだ。

 だけどホーガンは別格の選手で、nWoのメンバーも難しい契約を結んで、WCWもコントロールできない存在だった。恐らく新日本プロレスもできそうにない。だったら向こうに飛び込まないといけないと思って、97年1月の契約更改で「WCWでやりたい」と言うと、あっさりOKが出た。自分はWCWと契約して、提携関係で新日本にも出る形になったんだ。

 まだまだ話は続くけど、スペースが足りないな。ガッデム!今回はここまでにしよう。(プロレスラー)

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