「チーム立命館」のエール
【3月4日】
山菜を天ぷらにして食べたり…監督がそう言えば、こっちの腹はぐぅと鳴る。今年初の本拠オープン戦が雨で流れた。投手調整を思案する虎将にとってうらめしい空だけど、藤川球児は…
天象と戦ってもしゃあない…そんな面持ちで「いいんじゃないですか、四季ですから」と泰然自若。職業柄、やはり天気予報は気になるか?取材陣からそう問われると、「山菜採りへ出掛けるとき」には気にしたもの…なんだとか。ほのぼのネタから冒頭の天ぷら話へ膨らんだわけだが、大将がこんなふうだと、こちらも気持ちが穏やかになる。とはいえ、試合がなければ当欄は「いいんじゃない?」では済まず、ネタ採りへ出掛けなければならない。
「風さん、ご無沙汰しています」
おぉ、ノリ…。久しぶり。
藤原正典から連絡があった。
この名前、虎党なら………。そう、菊池雄星がセパ6球団競合した09年のドラフトで阪神から2位指名された左腕「ふじはら・まさのり」である。
主に中継ぎとして1軍で58試合の登板。打者にとって球の出所が見づらいフォームでまっすぐも速かった。もっともっと活躍できる…って、立命大の「後輩」だから余計に肩入れしていたわけだけど、16年限りでタテジマを脱いだ。引退後も節目で連絡をくれた彼だけど、今回は転職の挨拶だという。せっかくだから会いに行ってきた。
大阪メトロ「肥後橋駅」直結の会員制ゴルフレンジ「OWNER’S GOLF CLUB」。品性あるビルの1階で藤原は出迎えてくれた。
これまで7年間、飲食の世界(鉄板焼&バー)で道を切り拓き、コロナ禍で研鑽を積んだのち心機一転。明治創業の歴史ある企業に再就職し、同社が運営するゴルフクラブを任されることになった。全席「トラックマン4」を完備し、ラグジュアリーな個室に左右の打席。JLPGAツアープロのレッスンも受講可能なクラブで藤原は「日々勉強です」と背筋を伸ばす。
「風さん、阪神はどうですか?」
球界と離れてもやはり「古巣」は気になる。とりわけ僕と藤原共有の推しは同窓の後輩、栄枝裕貴である。
「立命でコーチをやっていたときに4回生に東(克樹=DeNA)がいて1回生に栄枝くんがいました。当時、後藤(昇)監督の肝入りで入学してきて、すぐメンバー入りしたのかな」
引退後、学生野球資格を回復し、母校で指導に就いていた藤原は「彼は最初から目立っていましたよ」という。
「監督が球児さんに代わってチャンスが増えるのでは…」
直近では2日の教育リーグ広島戦で才木浩人、村上頌樹を好リードして無失点。アピールを続ける5年目捕手へエールを送る。阪神タイガースの立命大OBといえば牛若丸・吉田義男が先月他界。25年は「チーム立命」奮起の年にしたいと勝手に思っている。
ちなみに山菜は?そう聞くと、岐阜出身の藤原は郷土の山菜料理「朴葉味噌(ほおばみそ)」が好きだという。 山菜好きの球児監督。高知、そして立命の星を一人前に…。=敬称略=
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