【サッカー】J1町田のファンが急増しているワケ 開幕戦チケットは最多入場者数更新に迫る勢い
14日に開幕する今季の明治安田Jリーグ。昨季3位の町田は、16日にホームの町田GIONスタジアムに昨季2位の広島を迎える。開幕ダッシュをかける重要な一戦で、チケット販売が好調だ。クラブ関係者によると、ファンクラブ先行販売の枚数が、発売初日における前年同日比218%を記録し、過去最高枚数を更新。9日時点で、同スタジアムの最多来場者数更新が視界に入っている。なぜ、町田のファン・サポーターが急増しているのか。その背景に迫る。
町田のマーケティング部長・野本倫央さん(38)によると、5日時点で本年度のファンクラブ会員の伸び率が前年度から約180%だという。開幕前にもかかわらず、早くも前年度の会員数を超える勢い。野本さんはファンクラブ会員を対象とした先行販売での好スタートに伴い、一般販売数も伸びていると推測する。「昨年1年間J1で戦い、良い結果を残したことによって期待度が高まり、『今年はファンクラブに入ろう』という方が増えた感じはします」と要因を語った。
クラブとしてJ1初挑戦だった昨年は、メディアへの露出が大きく増加。春先から首位を走る快進撃で大旋風を巻き起こしたことや、黒田監督のストレートな発言による炎上、FW藤尾がPK時にボールに水をかける騒動などで、SNSを中心に話題となることも少なくなかった。ただ、良くも悪くも『FC町田ゼルビア』という存在を知られるきっかけとなった。
「元々、町田市の認知は取れていたんですけど、市の外に認知も広まったことは昨年感じました。それは炎上もありましたし。国立開催が4試合あったことも、結構都心とかも含めて認知は広まったのかなっていう感じはします」
クラブはシーズンオフに100人以上のファンクラブ会員にヒアリングを実施し、ファンになったきっかけ、スタジアムに来た理由などを調査。浮かび上がってきたのは、ファンがファンを呼ぶ構図だ。「サポーターの雰囲気がいい。ファンがすごく歓迎してくれるから、『来季もファンクラブに入ります』と言ってくれる人がいた」。長くJ2時代を経験した既存ファンが、新規を積極的に受け入れるオープンな姿勢が好循環を生んでいるようだ。
7日時点で、開幕戦のチケットは一部席種が完売。昨年のG大阪との開幕戦で記録した、町田GIONスタジアムの最多入場者数(1万3506人)更新に迫る勢いだ。「間違いなく(最多を)狙っていきたい」と力を込めた野本さん。昨季、最終節まで優勝を争った2位と3位の対決と注目度も高い。「広島と町田が今年のJ1を引っ張っていくみたいな、開幕戦の雰囲気をみんなで作れたら」と目を輝かせた。
町田にとって、初タイトル獲得を目標に掲げて迎えるJ1で2年目の初陣。青く染まった満員のサポーターの声援が、選手たちを後押しする。(デイリースポーツ・松田和城)
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