【野球】さらなる進化へ日本ハム・万波の決意 1月にスイング改造着手
日本ハム・万波中正外野手(24)が進化を目指して奮闘している。1月の米国自主トレでスイング改造を決断。キャンプ中も試行錯誤しながら、今月初旬の台湾シリーズでは2試合連続本塁打を放った。チームの浮沈を握る若武者は、確固たる決意を胸に7年目のシーズンに向かう。
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吹っ切れたように、万波の笑みがはじけた。1日に行われた台湾シリーズ初戦の統一戦。今年の自身実戦初アーチを左翼席に放り込み、異国の観衆から大歓声を浴びた。
「最高っすね」。声のトーンが上がったのは、それまでモヤモヤを抱えていたことも一因だった。「今までは試合でも、試している要素がすごく強かった。キャンプ中、フォームがうまくいってないとか、試合中も(心の)矢印がすごく内側に入りがちだったので」。自分との闘いがメインとなり、実戦でも模索が続いていた。そんな状況を変えるきっかけになる一発だった。「今日はしっかりピッチャーに向かっていけた」。言葉通り、翌日の中信戦でも2戦連発の先制3ラン。確実に一段、ステップを上がった。
1月に1週間、米アリゾナ州の施設で自主トレ。さまざまアプローチで自身の動作を分析し、スイング改造に取り組むことを決めた。帰国後の自主トレからキャンプ中も、手首が返る悪癖を矯正してバットの面を保つため、三角表示板のようなアイテムをバットと一緒に持ってスイングする姿があった。
さらなる進化を求めての決断。開幕まで3カ月足らずの時点で挑戦にかじを切ったのには、相当な覚悟と危機感がある。「僕的にはやっぱ今トライしないと、もう良くて現状維持、横ばいの成績ぐらいしか難しいんじゃないかなと思って。思い切って取り組んだ」。キャンプ打ち上げの際には、そう明かしていた。困難が待ち受けるのは百も承知。「まだまだ苦しむと読んでます」と話し、シーズン序盤は「苦しいスタートになるんじゃないかな」と予想していた。
それでも、自らの殻を破れる可能性を信じている。「安易にフォームを戻すとかは考えてない」と断言。「開幕までに必ずしもピークにならないといけないとも思わない。1年勝負なので。1年間トータルでしっかり貢献するっていうところを念頭に置いてやりたい」と決意は固い。
昨季は打率・252、18本塁打、60打点。新庄監督は2月22日のヤクルトとのオープン戦以降、スタメンでは4試合連続で万波を6番に置いた。キャリアハイだった23年の25本塁打、74打点を上回るような成長を遂げた万波が、清宮幸、野村、レイエス、水谷らの後にドッカリと座る形となれば、打線の破壊力はすさまじいものになる。
チームの外野手争いはハイレベル。結果が出なかった場合にとって代わられるリスクは、もちろん認識している。ただ「前の自分に比べたら割とどっしりしています。気持ち的には腹をくくっているというか。恐れずに新しいことに挑戦するっていう気概はありますね」と迷いはない。今季の目標は「MVP」。9年ぶりの優勝&日本一へ、カギを握る存在になりそうな雰囲気が漂ってきた。(デイリースポーツ・藤田昌央)
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