高知・高井 兄は「通過点」同じ55を背負いNPB目指す

 【高知・高井悠生外野手】文=高田博史

 前期優勝の天王山となった対香川前期9回戦(22日、高知)六回裏2死満塁、勝ち越し打となる走者一掃の二塁打を放ったのは、高知の6番・高井悠生だった。

 「みんな、つないでくれた。とりあえず体が開かないようにしていたら、最近はいい感じでスイングできているので、捉えられるなと思って」

 昨年まで3年間、愛媛でプレーした。1年目こそ51試合に出場し、打率・261を残したが、2年目、3年目と出場機会が減っていた。高知に移籍した今季、駒田徳広監督(元巨人ほか)の下で持ち味の打力を発揮している。のびのびとプレーしているのが分かる。

 「駒田さんからは『しっかりトップ作って、体ねじって、思い切りバーン!と振れ!』とか、そういう感じですね。変化球攻めが多いので『変化球を割り切って振っていきなさい』ってことも言われますし『強い気持ち持って行けよ!』とは言われます」

 8歳上の長男・啓行さんは、かつて高知、長崎セインツでプレーし、阪神からもリストアップされたスラッガーだった。2歳上の次男、洸佑さんも社会人野球でプレーする。末っ子の成績は家族中で気になる。

 「ホームランとか打ったら親父(久さん)に連絡するんですけど『きょう、2本打ったんやな』とか言われて『えっ! なんで知ってんの?』って聞いたら『兄貴から聞いた』って」

 小学生のころ、よく啓行さんに打撃を教えてもらった。早朝4時や5時にたたき起こされ、ネットに向かって3箱も4箱もボールを打っていた記憶がある。

 「起こされて『行くぞ』って強制的に。でも、そういうのがあったおかげで自主的に練習できるようになったので、いまとなってはありがたかったかなと思います。(当時は)もうヤバかったです。つらかった(笑)」

 兄は2年目のシーズンに打率・283を残した。2年間で本塁打7本を放っている。兄を超したい。

 「通過点として。それを抜かさないと、NPBにも行けないと思っているので」

 背番号の『55』は、兄が高知在籍時に背負っていた番号である。

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