高知・宮田“とにかく1本”元巨人名リリーフの祖父の名に恥じぬプレーを

 【高知・宮田孝将外野手】文=高田博史

 徳島との3連戦初戦(8月3日、高知)で、高知の5番・宮田孝将が複数安打を放つ。打率を・278に上げ、3割が見えてきた。4番・ザックが退団したいま、高知打線を引っ張る。

 前期を打率9位(・276)で折り返した。中断期間もさらなるレベルアップに取り組んでいる。

 「とにかく遠くへ飛ばせるというか、強く打てるようにと思ってやってきました。打ち方もそうですし、チームとして“振る”ことを大事にしてやってきたので。振る量も増やして」

 独立リーグに進めなければ諦めようと考えていた、最後の1年でチャンスをつかむ。昨年7月25日に途中入団。だが、すぐに次の壁が立ちふさがる。10試合に出場したが、1安打しか打てなかった。

 「『あいつ、誰?』みたいなところから後期が始まって。本当に言ってるか、いないかは別として『使ってもらってるけど、あいつ打たんな』。自分だったらそう思うだろうなって、思いながらやってました」

 今年もスタートは練習生からだった。去年の成績のままなら今年が最後になる。駒田徳広監督(元巨人ほか)の言うことを、全部自分のものにしてやろうと練習に打ち込んでいた。

 「とにかく、なんとか1日1本ずつでもヒット打って。とにかく1本、とにかく1本っていう気持ちでやってて。それが良かったんじゃないかな。欲が出なかったから良かったってのもあるんですけど」

 スタンドからは「8時半やぞーっ!」と声が掛かる。祖父は元巨人の名リリーフ『8時半の男』こと宮田征典氏(故人)である。

 そうやって自分のことを覚えてもらえるのはうれしい。巨人のユニホームを着た祖父の姿に憧れて野球を始めた。「孫は大したことないな」とは言われたくない。注目される分「やっぱ、すげえな!」と思わせたい。

 「『大したことねえな』とか言われると、おじいちゃんの名前が傷つく。そういうのは嫌なので、とにかく頑張ってやるしかないと思ってます」

 「やりたいことはとことんやりなさい」。それは祖父の教えでもある。

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